TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2024.07.01 矯正歯科

歯列矯正治療後のメンテナンス! 保定と定期健診の重要性について

歯列矯正治療は、矯正装置を使った治療が終わったあとも実はまだやることがあり、装置を外したから治療終了というわけではありません。
矯正後に歯が新しい位置にしっかりと定着するためには、その後のメンテナンスが非常に大切で、なかでも「保定」というものが必要なのです。

今回は、矯正終了後に行うべきメンテナンスや保定の重要性、保定装置の種類や定期健診について分かりやすく解説します。

矯正治療後のケアとメンテナンスの重要性

歯列矯正治療が終わって装置が外れたあとは、メンテナンスの段階に入ります。
メンテナンスが必要な理由は、歯は矯正装置によって動かされたあと、正しい位置にしっかりと定着するまでに時間がかかるためです。

この定着期間中にケアを怠ると、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起きやすくなるので、矯正後の美しい歯並びを保つためには、この後戻りを防ぐことがとても重要になります。
しっかりとメンテナンスを行い、矯正治療の成果を維持しましょう。

保定とは?

保定とは、矯正治療が終了したあとに、歯が正しい位置に安定するまでの期間に行うケアを指します。
矯正装置を外したばかりの歯が元の位置に戻ろうとする後戻りを防ぐために保定装置を使用して歯を固定し、正しい位置に定着させることが目的です。

保定期間について

矯正治療が終わったあと、保定装置を使う期間は一般的に1年から数年とされていますが、歯が正しい位置にしっかりと定着するまでの時間には個人差があります。
初めの数ヶ月は非常に重要で、この期間にしっかりと保定を行うと、後戻りを防げる確率が高くなります。
保定期間が終わると歯が正しい位置にしっかりと安定し、自然な状態を維持できるようになります。

保定期間の個人差は、歯の状態や治療内容によるものが多いです。
例えば、歯を大きく動かした場合や、治療前の歯並びが特に悪かった場合は後戻りがしやすく、保定期間が長くなる可能性が高いため、歯科医と相談して最適な保定期間を設定してもらいましょう。気が重くなるかもしれませんが、長く保定装置を使っていくことが、歯並びだけではなく、口腔内の環境を整え、予防につながります。

保定装置について

保定装置は「リテーナー」とも呼ばれ、「固定式保定装置」と「取り外し式保定装置」の2つがあります。それぞれの特徴と役割について詳しく見ていきましょう。

固定式保定装置

固定式保定装置は、歯の裏側にワイヤーを固定し、歯を常に一定の位置に保つ装置です。
この装置のメリットは取り外しが不要で常に歯を固定でき、見た目にも影響が少なく日常生活で装置の見た目や存在を気にする必要がない点です。
ただし、歯磨きが難しくなり、装置の周りに歯垢がたまりやすくなるため、丁寧な口腔ケアが必要になります。虫歯や歯周炎を誘発することもあります。

取り外し式保定装置

取り外し可能な保定装置は、透明なマウスピースのような形状のものが多く、食事や歯磨きの時に取り外せます。
このタイプのメリットは取り外して清掃ができるため、口腔内を清潔に保ちやすく、使用の柔軟性が高い点です。
ただし、その一方で装着の脱着時間などの自己管理を徹底する必要があり、装置を清潔に保つために適切な洗浄もしなければなりません。

保定は矯正治療の最後のステップで、とても重要なものです。
美しい歯並びを維持し続けるために、保定装置を正しく使用し、しっかりとしたケアを行いましょう。

定期検診の一般的な内容と流れについて

定期的な歯科検診は、矯正治療後の保定期間中において必要不可欠です。
歯科医師によるチェックを受けることで、保定装置が正しく機能しているか、歯並びが安定しているかなどを確認します。

保定装置についての確認をする

まずは、保定装置のワイヤーが正しく固定されているか、緩んでいないかを確認し、曲がったり、破損したりしていないかもチェックします。
ワイヤーの周りに歯垢がたまっていないかも観察し、必要に応じてクリーニングを行い、磨き残しがないようブラッシング方法について指導を受けることもあります。

また保定装置が歯にしっかりとフィットしているか、きつすぎたり緩すぎたりしていないかなど、装置のフィット感や装置が歯並びに適切に対応しているかもチェックします。
もし保定装置に必要な調整や修理があれば、その場で対応してもらえるでしょう。

保定装置に亀裂や破損がないか、装置が変形していないかを診たあとに、清潔に保たれているかも確認します。
ここでは、使用方法やメンテナンスについて再指導を受ける場合もあります。

歯の後戻りがないかを診る

歯が正しい位置に留まっているかを診て、元の位置に戻り始めていないか細かくチェックします。
また噛み合わせが正常であるかも確認し、もし噛み合わせに問題がある場合は適切な調整が行われます。
経過によっては保定計画を変更したり、その場で必要な措置を講じたりすることもあります。

口腔内の健康状態を診てクリーニングをする

歯肉が健康であるか、炎症や腫れがないかを診て、歯周病の兆候がないかもチェックします。
そして口腔内全体の清潔度を診ながら、状態に応じて歯石の除去やクリーニングを受けるという流れが多いです。

次回の検診予定を決める

最後に、次回の検診日を設定し、定期的な検診を継続します。
保定が順調であれば特に問題はありませんが、保定の状態や進捗によっては、検診の頻度や内容の調整が必要なケースもあります。

このように定期的な歯科検診を受けると保定装置が正しく機能しているか、歯並びが安定しているかを確実に診てもらえるため、矯正治療の成果を最大限にし美しい歯並びを保てるのです。

保定の検診の頻度とタイミング

それでは、保定期間に入ったあとの検診の頻度はどのくらいが目安なのでしょうか?
こちらも個々の口腔状態や治療内容によって異なりますが、一般的には以下のようなスケジュールが推奨されます。

保定装置装着直後~6ヶ月まで

保定装置を装着した直後は1~2週間後に最初の検診を行い、装置が適切にフィットしているかを確認し、歯の動きや保定装置の状態を診てもらいます。
特に3~6ヶ月の期間はかなり重要で、歯が新しい位置に安定するまで頻繁にチェックがする必要があるでしょう。
通常1~2ヶ月に一度のペースで歯科検診を受けることが推奨されており、保定装置の装着状況や歯の安定性を考慮しながら必要に応じた調整を行います。

6ヶ月~1年まで

最初の6ヶ月を過ぎると検診の頻度は徐々に減らせるケースが多く、通常であれば3~6ヶ月に一度のペースで検診を受けるようになります。
この期間も歯が安定しているか、保定装置が正しく機能しているかを確認し、口腔内の健康状態を診てもらうことが多いです。

1年以降

保定装置を使用して1年が経過した時点では、歯が新しい位置にしっかりと定着しているかを診てもらう段階に入るのがほとんどです。
長期的に歯の健康を維持するために、保定装置の状態や歯並び、口腔内の変化の確認が主な目的です。
また歯が新しい位置に安定したあとは年に1~2回の定期検診で十分になります。

なお途中で保定装置が破損したり、不具合が生じたりした場合や、歯に異常が見られるなどの問題があったらすぐに歯科医院で早急に対処してもらいましょう。

矯正後のケアで綺麗な歯並びを保とう

このように、歯列矯正の治療は矯正器具を取り終えたあとのケアが非常に重要なのです。
美しい歯並びを保つためにも保定装置の正しい使用を徹底し、定期検診を欠かさず続けましょう。矯正後に少しでも気になることがあれば、すぐに歯科医師に相談してみることをおすすめします。

当院でも、子供から大人まで幅広く、患者様にあわせたカスタムメイドの歯列矯正治療を行っておりますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。