TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2024.07.30 豆知識

歯痛の主な原因は? 対処法や予防策について

歯の痛みというのは、痛みが強くなればなるほど生活の質に大きな悪影響を与えます。
例えば、食事を楽しもうとする時に歯が痛むと、楽しみが一気に奪われてしまい、夜寝る時に痛みがあると、眠れずに疲れやストレスが溜まる原因にもなるでしょう。

そこで今回は、歯が痛む原因や対処法、予防策について解説します。

歯痛の一般的な症状と原因

虫歯

歯痛の一般的によくみられる原因は「虫歯」です。
初期の虫歯は痛みがあまり感じられず、歯の表面が少し白っぽくなったり、時々甘いものや冷たいものが染みたりする程度です。
まだ初期であれば治療が簡単で、虫歯を削って詰め物をして対処できる場合が多く、この段階で発見できれば、短時間の治療で痛みも少なくて済みます。
進行した虫歯になると痛みが強くなり、食事をするたびにズキズキと痛むなどの症状が増えてくるでしょう。
虫歯が進行すると歯の神経まで到達してしまい、冷たいものに限らず温かいものでも痛みを伴い、その場合は「根管治療」という歯の内部の神経や血管を取り除き、消毒してから詰め物をする治療が必要になります。
進行した虫歯を放置するとどんどん悪化し、最悪の場合は歯を抜くことになりかねません。

歯周病

歯周病が原因で痛みが出ることも多いです。
歯周病の初期段階である「歯肉炎」は、歯肉が赤く腫れたり、ブラッシング時に出血したりするのが特徴で、歯肉に炎症が起きているため痛みや不快感が現れます。
早期の歯肉炎であれば、適切な歯磨きと歯科でのクリーニングで改善が可能です。
歯肉炎が進行すると、歯を支える骨にまで炎症が広がる「歯周炎」になり、歯がぐらぐらする、口臭が強くなるといった症状も現れます。
歯周炎は歯を失う主な原因の1つであり、場合によっては手術になる可能性もあるため、早急に治療が必要です。

歯の損傷

スポーツや事故などで歯をぶつけると歯が損傷する場合があり、ヒビが入る軽度のものから、折れたり、抜けたりする重度のものがあります。ぶつけた衝撃が強いと、アンキローシス(骨性癒着)を起こし、歯が動かなくなります。
また硬いものを噛んだ時や、歯ぎしりが原因でひび割れが起きるケースもあり、損傷した歯やひび割れた歯で咀嚼すると痛みを感じ、進行すると感染の原因にもなります。

親知らず

親知らずは、通常10代後半から20代半ばに生えてくる歯で、永久歯の奥歯のさらに奥に位置しており、生え方や位置によっては痛みが生じます(中には親知らずそのものが生えない人もいます)。
親知らずが痛む原因で最も一般的なのは、生えるスペースが足りない場合で、親知らずが他の歯に押されて痛みが出ます。
また部分的にしか生えないケースでは周囲の歯肉に炎症を引き起こし、痛みや腫れが発生することもあります。
定期的な歯科検診で親知らずの状態をチェックし、抜歯も検討する必要があるでしょう。

いずれにしても、痛みや腫れが生じた場合は早急に歯科医に相談し、適切な対処をしてもらうことが大切です。

自身でできる応急処置は?

市販薬の使用

歯の痛みを感じた際、最も手軽に利用できるのが「市販の痛み止め」で、痛みが強い時に服用しても緩和効果を感じられ、即効性もあります。
ただし、これはあくまで一時的な対策であり、根本的な治療にはならず、問題の原因を取り除けません。
市販薬の効果に頼りすぎると問題が深刻化する可能性が高いので、きちんと歯科医の診察を受けましょう。

冷却法

自宅でできる応急処置に「冷却法」というものがあり、氷をタオルに包んで頬に当てると、痛みを和らげられます。
冷却すると血管が収縮し、痛みや腫れを軽減させますが、直接歯に冷たいものを当てると痛みが増すことがあるので、必ずタオル越しに行うようにしましょう。

塩水うがい

塩水うがいも自宅で簡単にできる応急処置の一つで、温かい水に塩を少し入れてうがいをすると、口腔内の細菌を減らし、炎症を和らげる効果があります。
うがいをする際は強くすすがずに優しく行うのがポイントです。

ただし、冷却法や塩うがいは市販薬と同様に一時的な痛みの緩和にしかならず、自己判断で過度な処置を行うと、かえって症状が悪化する可能性もあるので注意して下さい。

歯科医院での治療

虫歯治療

虫歯治療は、前述したように初期の虫歯であれば虫歯部分を削り取り、詰め物をすることで治療が完了します。
進行した虫歯の場合は神経にまで達しているケースが多く、根管治療が必要となり、歯の内部の感染部分を取り除き、清潔な状態にしてから詰め物をします。

歯周病治療

歯周病治療は、まず歯肉の炎症を抑えることから始まり、歯石やプラークを除去するスケーリングや、歯周ポケット内の清掃が行われます。
重度の歯周病の場合は手術が必要となるケースもあり、治療後は定期的なメンテナンスが重要です。

歯の損傷治療

歯の損傷治療には、クラウンやブリッジ、インプラントなどがあります。
損傷の程度によって治療法は異なりますが、基本的には損傷部分を修復し、見た目と機能を回復させるのが目的です。
歯が欠けた場合やひびが入った場合も、早急な治療が求められます。

親知らずの抜歯

親知らずの抜歯は、痛みや腫れが生じた時に行われることが多いです。
親知らずが周囲の歯に悪影響を与えていたり、正常に生えてこなかったりする際に推奨されます。
抜歯後はしばらくの間安静に過ごし、指示されたケアを行えば早期の回復を目指せます。

歯痛を予防するための生活習慣

まず歯痛の多くの原因を占める虫歯や歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きやフロスが重要です。
歯磨きは1日に2回、食後すぐに行うことが理想的ですね。
朝食後と就寝前の歯磨きは、口腔内の細菌を減らし、虫歯や歯周病の予防に有効です。
また間食後もできるだけ歯を磨くか、すぐに磨けない場合は口を水でよくすすぐだけでも効果があります。
糖分が多い食べ物や飲み物を摂取した後は、特に念入りなケアが必要です。

また定期的な歯科検診を受ければ、虫歯や歯周病の早期発見が可能となり、初期段階での治療を受けられます。
一般的には半年に一度が目安ですが、歯や歯肉の状態によっては歯科医が提案する頻度で検診を受けることが大切です。
特に歯周病のリスクが高い方や、過去に歯の治療を多く受けている方は、より頻繁に検診を受けると良いでしょう。

歯の損傷を予防するためには、スポーツをする際にマウスガードの使用をおすすめします。また硬いものを噛む際は慎重に行い、歯ぎしりがある場合はナイトガードの使用が効果的です。

口腔内に問題がないのに歯の痛みがある場合

歯の痛みの中には、口腔内には問題がない「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」というものも存在します。
これは、他の身体の部位や健康状態が原因で歯に痛みを感じるもので、一見すると歯の問題に見えるため、正確な診断と適切な治療が難しい場合があります。

非歯原性歯痛の原因は様々で、筋肉の緊張や神経の問題、耳鼻咽喉科関係の病気、さらには心理的な要因が関与するケースなどが挙げられます。
歯科で診察を受けて口腔内に問題がない場合は、医師と相談して別の科の病院で診てもらいましょう。

歯が痛くなったらすぐに受診しよう

歯痛の原因は多岐にわたり、早期発見と早期治療は非常に重要で、痛みを感じてすぐに受診すれば深刻な問題になる前に対処ができます。
早期発見によって大掛かりな治療を避けられ、治療期間も短く、経済的な負担も軽くなりますので、小さな痛みや違和感を見逃さないようにして下さい。
痛みが発生しないように日常の歯磨きに気を配り、定期的な歯科検診に行って予防しましょう!

当院でも、歯科定期検診や歯のメンテナンスを行なっていますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。