TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2024.08.28 小児歯科

子どもの乳歯がグラグラし始めたらどうする? 適切なケア方法と心理サポート

大人は誰しも乳歯が抜けて永久歯に生え変わる経験をしていますが、自分の子どもの乳歯がグラグラし始めるというのは新しい経験なので、不安があるかもしれませんね。
そこで、今回はお子さんの乳歯がグラグラし始めた時の対処法や注意点を解説します。

子どもの乳歯がグラグラしてきた時の心構え

通常、乳歯は生後6ヶ月から3歳ごろまでに生えそろい、6歳から12歳ごろの間に全て永久歯に入れ替わりますが、この過程で乳歯がグラグラして抜けていきます。
この時期に親として心掛けたいのは、子どもが安心できるようにサポートしてあげることです。

子どもが自分の身体に何が起こっているのかを理解できるよう、しっかりと説明してあげましょう。
「新しい歯が生えてくるために、古い歯が抜けようとしているんだよ」というような、簡単な言葉で伝えてあげると良いですね。

自身の歯が抜けた時の話をして、身近に感じられるようにするのも良い方法です。
絵本やアニメなどで乳歯が抜ける場面を一緒に見るのも効果的で、ストーリーを通じて自身の状況を客観的に捉え、少しずつ安心していくでしょう。
また乳歯が抜けた時には、小さなお祝いをしてあげるのもおすすめです。
家族で「よく頑張ったね!」と声をかけたり、子どもの好きな食事を用意したりして、特別な日にすると、ポジティブな記憶として残ります。
親として、子どもの成長を見守る素晴らしい機会にもなりますね。

乳歯がグラグラし始めた時の対応について

では、子どもの乳歯がグラグラし始めた時、実際にどのように対応すれば良いのでしょうか?大事なのは、焦らずに子どもの自然な成長を見守ることです。

自然な抜け方を促進するケア

自然に乳歯が抜けるためには毎日の口腔ケアが重要で、まずは歯磨きをしっかり行い、むし歯や歯肉炎の予防が基本です。
普段から柔らかい食べ物ばかりではなく、適度な硬さのある食べ物もバランス良く取り入れると良いでしょう。噛むことで歯肉が刺激され、自然に歯が抜けやすくなります。
また抜ける直前の乳歯は、子ども自身が少し触ったり、揺らしたりすることもあります。
このような自然な動きが歯が抜ける手助けになる場合もあるので、あまり心配せずに見守りましょう。

無理に抜かない

乳歯がなかなか抜けない場合でも、焦らずに様子を見ましょう。
乳歯が抜けるタイミングには個人差があるので、必ずしも他の子どもと同じように進むわけではありません。
無理に抜こうとすると、歯肉を傷つけてしまったり、次に生えてくる永久歯に悪影響を与えてしまったりする可能性もあるので、注意が必要です。
乳歯がなかなか抜けないことで子どもが不安を感じているようであれば、「大丈夫、もう少しで抜けるよ」と安心させてあげて下さい。
親の落ち着いた態度が、子どもにとっての安心感につながります。

歯科医師に診てもらう

乳歯が長い間グラグラしているのに抜けない、もしくは痛みや腫れがある場合は、一度歯科医師に診てもらうこともおすすめします。
永久歯がすでに生え始めているのに乳歯が抜けない場合は、歯並びや噛み合わせに影響が出る可能性があるため、早めに相談をしましょう。

このように、乳歯がグラグラし始めた時は自然な流れを尊重しつつ、適切なケアが大切です。子どもの成長を温かく見守り、必要なサポートをしていきましょう。

乳歯が抜けた後に考慮すべきこと

乳歯が抜けると、子どもの口腔内には永久歯が顔を出し始めます。
この時期は永久歯の成長にとって重要なので、どのようなケアが必要かを知っておきましょう。

永久歯の健康維持とケア

永久歯は一生使う大切な歯ですし、生えたばかりの歯の表面は結晶レベルでは未熟で、むし歯になりやすいという特徴があるため、継続的なケアが必要です。
まずは日々の歯磨き習慣をしっかりと続けることが基本です。保護者の仕上げ磨きを必ず行うようにし、磨き残しがないように見てあげましょう。フッ素が配合された歯磨剤やフロスを使用することもむし歯予防には効果的です。
特に「6歳臼歯」と呼ばれる乳歯のさらに奥に生えてくる永久歯は、完全に生えてくるまで歯肉が被さっていたり、歯の形が複雑で溝が深く汚れが溜まりやすい形状だったり、乳歯よりさらに奥にあるので歯ブラシが届きにくい、などむし歯になりやすい要因が多いので注意が必要です。

定期的な歯科検診の重要性

定期的に歯科検診を受けることは、永久歯の健康維持において非常に大切です。
歯科医院では、むし歯にならないための予防処置も受けることができます。3~4か月に1回くらいの頻度で、高濃度のフッ化物を塗ることで、効果的にむし歯を予防することができます。また、6歳臼歯など深い溝がある歯には、あらかじめ溝を埋めることで汚れが入らないようにするフィッシャーシーラントという予防処置もあります。
歯科医師のアドバイスを受けながら適切なケアを続ければ、子どもの歯の健康を守ることることにつながります。
検診の際には、親子で歯磨きの仕方や食事の工夫についての質問をしてみるのも良いですね。

歯列矯正の必要性と判断基準

子どもの歯並びが気になる場合、歯列矯正を検討します。
歯並びが悪いと、歯磨きがしにくいのでむし歯のリスクも高まります。
歯列矯正は美しい歯並びだけでなく、噛み合わせの改善や、むし歯の予防など、口腔内全体の健康を向上させるためでもあります。
矯正治療の時期や方法については、歯科医師と相談して決めましょう。

親子で一緒に成長を楽しもう!

乳歯がグラグラし始める時期は親子にとって新しいチャレンジですが、正しい知識を持ち、適切に対応すれば、子どもと一緒に特別な時期を楽しめるはずです。
もし何か心配なことがあれば、いつでも歯科医師に相談して、適切なアドバイスを受けるようにして下さいね。

当院でも、歯のメンテナンスやセルフケアに関するアドバイスや指導を行なっていますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。