TOYOMAKI COLUMN お役立ちコラム
2025.02.17 豆知識

歯ぎしりの思わぬ健康への影響は? 原因や治療、予防について

朝起きたときに顎周りが疲れていたり、家族から「寝ている間に歯ぎしりをしていたよ」と指摘されたりしたことはありませんか?
歯ぎしりは単に音だけの問題ではなく、歯や顎、そして体全体にまで影響を与えるケースがあるのです。

今回は、歯ぎしりに関する基本的な知識や予防法、治療について解説します。

歯ぎしりとは?

「歯ぎしり」とは、上下の歯を無意識にすり合わせる動作のことです。
上下の歯を強く噛み締める動作は「食いしばり」と呼ばれます。
歯ぎしりは寝ている間に起こり、食いしばりは起きているときに起こるのが一般的です。

歯ぎしりは、自身で気づくのが難しいため、家族やパートナーから指摘されて気付くことがほとんどですが、音がしないケースも存在します。
食いしばりも、仕事中や集中しているときに無意識に行っている場合が多いため、なかなか気付きにくいのが特徴です。

歯ぎしりが引き起こすリスク

歯ぎしりを放置すると、身体に様々な悪影響を及ぼします。
最もわかりやすいのは『咬耗』で、歯そのものにダメージを与え、歯がすり減って噛み合わせが悪くなったり、冷たいものや熱いものにしみやすくなる「知覚過敏」の症状が出たりすることです。
さらに進行すると歯にひびが入り、歯が欠けてしまうケースや、歯肉に負担がかかることによって、「歯周病」を引き起こす可能性もあるのです。

また、顎にも大きな負担がかかるため、顎の筋肉が過度に緊張し、「顎関節症」と呼ばれる症状が発生する場合もあります。
顎関節症は、口を開け閉めする際に痛みを感じたり、カクカクと音がしたりして、悪化すると食事がしにくくなるなど、日常生活に支障をきたします。

そして、顎の筋肉が緊張すると、首や肩の筋肉にも影響を及ぼし、肩こりや頭痛を引き起こすことも少なくありません。
こうした症状が続くと、慢性的な疲労感につながるため、注意が必要です。

歯ぎしりの主な原因

歯ぎしりの原因は一つではなく、心理的なものから身体的なものまで、様々な要因が存在します。

ストレスと歯ぎしりの関係性

歯ぎしりに大きく関わっているのが、日々のストレスで、心理的な緊張や不安が高まると、身体が無意識のうちにその影響を受けます。
歯ぎしりはその一つの現れであり、特に睡眠中にストレスが解消されない場合に発生しやすいといわれています。
仕事や学校でのプレッシャー、人間関係のトラブルなど、ストレスを感じて日中はなんとか抑えていた感情が、眠っている間に無意識に身体に出てしまうとも考えられています。

ストレスが原因の歯ぎしりは、長期化する傾向があります。ストレスを感じる状況が続けば続くほど、歯ぎしりの癖が深まり、歯や顎に与える負担も大きくなってしまいがちです。

生活習慣と遺伝的要因

生活習慣も歯ぎしりを引き起こす大きな要因の一つです。
例えば、カフェインやアルコールの過剰摂取は、身体を興奮状態にしやすく、睡眠中に歯ぎしりを誘発すると考えられています。
特に、寝る直前にコーヒーを飲む習慣があったり、飲酒後すぐに寝ていたりする場合、歯ぎしりが起こりやすい傾向があり、喫煙の習慣も原因の一つとされています。
さらに、夜更かしや不規則な睡眠時間も体全体のリズムを崩し、睡眠の質を下げてしまうため、深い眠りに入れずに歯ぎしりが発生しやすくなるのです。

そして、家族に歯ぎしりをする人がいる場合、同じような傾向が見られるという遺伝的な要因もあり、これは顎や歯の形状、噛み合わせの特徴が遺伝するためだとされています。

歯ぎしりの確認方法は?

歯ぎしりの症状が気になったら、自身の状態を正しく把握することが大切です。
まず、以下のような点を確認してみて下さい。

– 朝起きたときに顎や顔の筋肉がだるく感じる
– 歯にひびが入っていたり、欠けたりしている
– 頭痛や肩こりが頻繁に起きる
– パートナーや家族に、夜中に歯ぎしりの音が聞こえると言われた
– 歯の表面が削れている、または平らになっている
– 起きたときに舌や頬の内側に噛んだ跡がある

このほかにも傾向はありますが、これらの症状がいくつか当てはまる場合、歯ぎしりの可能性が高いので早めに歯科医院に行くことをおすすめします。

歯ぎしり治療の選択肢について

ナイトガード(マウスピース)治療

歯ぎしりの治療として最も一般的なのが、「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースの使用です。これは歯科医院で作成してもらえるもので、寝ている間に歯を保護するために使用します。
寝る前に口の中に装着するだけで簡単に使用でき、自身の歯型に合わせたものを作るため、ぴったりフィットして違和感が少ないのが特徴で、上下の歯が直接すり合わないようにして歯や顎への負担を軽減します。
また、歯が削れるのを防ぐと同時に、顎の筋肉の緊張も緩和できるため、朝起きたときのだるさや痛みが軽減される効果も期待できます。

ナイトガードの最大のメリットは、即効性と手軽さで、装着するだけで歯や顎への負担をすぐに軽減できるため、短期間で効果を実感できる方も多いです。但し、ナイトガードをしたとしても、歯ぎしり自体がなくなるわけではありません。

ボツリヌス治療、薬物療法

最近注目されているのが、ボツリヌス治療(ボトックス注射)です。
この治療法では、顎の筋肉にボツリヌス菌から抽出したタンパク質を注射し、筋肉の緊張を和らげ、歯ぎしりの頻度や強さを抑えられます。
ボツリヌス治療は、特に筋肉の緊張が強いケースにも効果的ですが、費用が高額になる点や、注射の効果が3ヶ月~半年ほどである点がデメリットです。

また歯ぎしりの原因がストレスや不安感に関連している場合、薬物療法が選択肢に入ります。
筋肉の緊張を緩和する薬や、ストレスを軽減する抗不安薬などが処方され、短期間で症状を緩和するのに適しています。
しかし副作用のリスクもあり、長期的な使用はあまり推奨されず、医師の指示を守りながら慎重に使用する必要があります。

自宅でできる歯ぎしり予防

歯ぎしりの症状は、治療と同時に自宅での予防策を取り入れると効果的です。
特に日常生活やストレス管理の見直しは、歯ぎしりの頻度や強さを軽減するために役立ちます。

カフェインやアルコールの過剰摂取を控える

食生活は体全体の健康だけでなく、歯ぎしりにも影響を及ぼします。
前述したように、カフェインやアルコールの過剰摂取は歯ぎしりを悪化させる可能性があるため、これらの摂取を控えることをおすすめします。
例えば、寝る前のコーヒーやお酒を避けるだけでも、睡眠の質が向上し歯ぎしりの頻度を減らす効果が期待できるでしょう。

姿勢の改善

姿勢の悪さも歯ぎしりに関係しています。
長時間のデスクワークやスマホの使用で姿勢が崩れると、顎や首の筋肉に余計な負担がかかるため、日中の姿勢を意識しましょう。
定期的に首や肩をストレッチすると、顎の緊張を緩和できます。

睡眠環境の改善

睡眠環境も歯ぎしりに大きな影響を与えます。
快適な睡眠を確保するためには、以下のポイントを意識してみて下さい。

-ベッドや枕の硬さが自分に合っているか確認する
-部屋を適度な暗さと温度に保つ
-スマホやテレビなどの電子機器を寝る前に使わない

これらの工夫で、より深い眠りに入れるようになり、歯ぎしりを軽減できる可能性があります。

早めの対策で歯と身体の健康を守ろう!

歯ぎしりがあっても、あまり気にする必要がないと見過ごされがちですが、日常生活に支障をきたしている場合には、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。歯や身体の健康を守りながら快適な毎日を目指していきましょう。

当院でも、歯のメンテナンスやセルフケアに関するアドバイスや指導を行なっていますので、不安なことや分からないことなどがありましたらまずはお気軽にご相談ください。